ポケモンの音楽作成なども担当している、ゲームフリークの増田順一さんのインタビュー動画が公開されている。
(Game Informer)
増田)
最近は、データの保管プロセスがあるけど、昔はFAXとかで送信しているような紙ベースでやっていたもので、コンピューターで絵を描いたりもしていなかったのでなかなかものが残っていない。
特に、ポケモンの赤・緑時代とかルビー・サファイア時代は、そうした記録を人に見せるとも思っていなかった。
記録には、赤・緑時代のプログラムのデータがどこに入っているのかを示すメモもある。また、コンピューターのクラッシュにより2日のロスとの記録も残っている。昔はコンピューターがよくクラッシュしていたので、ポケモン自体が消えなくてよかったと思う。
ルビー・サファイアの資料には、レジロック・レジアイス・レジスチルという3体のポケモンをゲットするためのイベントに点字を盛り込む、というアイデアについても書いてある。
資料の記録を保管することを意識し始めたのは、2010年に発売されたブラック・ホワイトの開発からで、そこからはアイデアスケッチなどに日にちも書き込むようになった。また、手書きでのアイデア出しも続けており、紙の資料としてまとめやすいからか、スケッチブックを使うようになっていった。
人と会話するというのは、地域化させるのが大変なので、文章の組合わせをやめてスタンプにできないか、と考えたメモもある。
紙に書いておけば、そのアイデアから次のアイデアに進められたり、アイデアにアイデアを重ねられるので。イラストとかもそうだし、新しいアイデアが出せたり、次々プラスに転じていけるので、アイデアを残しておくことは重要。
例えば、バトルで自分の手持ちポケモンが振り向くというアイデアをブラック・ホワイト時代に考案したが、ブラック・ホワイトには実装できなかったが、X・Yの時に、ポケモンをかわいがると振り向くようになるという仕様にして実装したものもある。
大森)(サン・ムーンのディレクター)
実際に会議をしながらスケッチブックにアイデアやスケッチを書くが、イメージを共有するために大きなスケッチブックを使用している。さらに、サン・ムーンで実装されたポケリフについてのアイデアや、ポケリフレを通してどうやってポケモンと仲良くなるのかのプロセスや、各動作に至るまで細かくアイデアがメモしてある。
増田)
戦闘時に与えるダメージに関するパラメーターも記録されているが、実際には、プログラムしながらどんどん数字とか変えているので、ここに書かれてる数字は、最終的に使われているかどうかは別。また、赤・緑時代はアセンブリ言語で書いており、かけ算もない言語なので、足し算を複数回実行することでかけ算にしている。
例えば、現在ならばサインカーブは、簡単に細かくデータをとれるが、当時は、無数のデータを記録することができなかったため、データの数を減らすため、プラス部分を8つのデータで示し、マイナス部分は、データを反転させることで表現した。このため、サインカーブを8バイトと1ビットでコントロールした。
インタビュアー)
音楽もそんな感じに作っていたのか?
増田)
ポケモンのサウンドプログラムも、赤・緑時代は増田さんが自身で書いており、音のパターンを40種類ぐらい作成し、それらを組み合わせて、鳴き声を作っていた。
たとえば、Aパターンが「ボー」。Bパターンが「プー」という音を鳴らすとすると、そうしたパターンを40種類作り、それらを組み合わせて、鳴き声を作った。このため、ポケモンの鳴き声がどこか似ているように感じるのはそういった理由からである。
興味深い記事です。いろいろなところで、インタビューに答えてはおられますので、他にも見つかると思います。
おまけ:
ポケモン20周年記念動画(2016)
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