2017年5月22日月曜日

ポケモンGO、2016年8月の死亡事故、被告に禁錮2年6ヶ月の実刑判決

「ポケモンGO」死亡事故で禁錮2年6か月

 愛知県春日井市で、2016年8月11日19:45頃、「ポケモンGO」を起動して女性をはねて死亡させた男の判決公判が2017年5月11日、名古屋地裁で開かれ、禁錮2年6か月の判決が言い渡された。

 岐阜県土岐市の奥山裕輔被告(27)は昨年8月、春日井市で乗用車を運転しながらポケモンGOを起動させたスマートフォンを充電しようとした際、操作に気を取られて注意を怠り、自転車で横断歩道を渡っていた、近所に住むベトナム国籍の女性会社員ホアン・ティ・フォン・リンさん(当時29)をはねて死亡させたとして過失運転致死罪に問われていた。
 検察側は論告で、被告が以前から運転中にポケモンGOを起動させていたと指摘。「昨今、ポケモンGOに関連した死亡事故が社会問題となっている。スマホを操作しながらの運転は極めて危険で絶対に許されない」などと批判。これに対し、弁護側は、被告が中日新聞の取材に実名で応じ「ながら運転」の危険を訴えたことなどを挙げ、再犯の恐れは小さいとして執行猶予付きの判決を求めていた。

 この日の判決公判で、諸徳寺聡子裁判官は「現場の200メートル手前でもポケモンGOを操作し、被告の注意が運転よりもスマートフォンに向けられていたことは明らか」と指摘。「単純な過失による事故とは一線を画する」などとして、奥山被告に禁錮2年6か月の実刑判決を言い渡した。

***** ポケモンGOに絡む事故は、昨年の7月22日リリースから各地で相次いでいます。
・栃木・真岡市:2016年7月23日、ポケモンGOを操作しながら車を運転していた20歳の女子短大生が交差点で信号待ちをしていた車に追突した。ケガ人は無し。
・東京・練馬区:2016年7月22日、「ポケモンGO」を操作しながら自転車を運転していた10代の男性が赤信号を無視し、50代の女性が乗る自転車と接触して転倒した。
①愛知・春日井市:2016年8月11日、「ポケモンGO」を起動中に女性をはねて死亡させた。名古屋地裁は2017年5月11日、禁錮2年6か月の実兄判決を言い渡した。
②徳島・徳島市:2016年8月23日、軽ワゴン車を運転中、ポケモンGOに気を取られて安全確認を怠り、道路を横断していた女性2人をはね、1人を死亡させ、別の1人に重傷を負わせた。徳島地裁は2016年10月31日、禁錮1年2月(求刑禁錮1年8月)の実刑判決を言い渡した。
③京都・長岡京市:2016年9月12日、大型クレーン車で、赤信号で停止した際、ポケモンGOを操作し、直後に前方をよく確認しないまま発進し、まだ停止したままだった原付きバイクにぶつかり、女性を約130m引きずり、死亡させた。京都地裁は2017年1月17日、禁錮1年6か月、執行猶予5年(求刑禁錮1年6か月)の判決を言い渡した。
④愛知・一宮市:2016年10月26日、トラックを運転中に、小学4年の男児(当時9)はねて死亡させた。名古屋地裁一宮支部は2017年3月8日、禁錮3年(求刑・禁錮4年)の実刑判決を言い渡した。
⑤福島・相馬市:2016年11月20日、ライトバンを運転中、ポケモンGOをしながら、路肩に停車中の軽乗用車に追突。さらに男性をはねて約45メートル引きずり死亡させ、軽乗用車に乗って男性を迎えに来た婚約者の女性にも軽いけがをさせた。福島地裁は、2017年2月27日、懲役3年6月(求刑・懲役5年)の実刑判決を言い渡した。

***** 道路交通法では、「自動車又は原動機付自転車を運転する場合においては、停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)を通話のために使用し、又は、画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。」とされ、「6,000円の反則金・1点減点」となっており、死亡事故の場合には、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)なども加わりますが、罰則の強化も求められています。

いずれにせよ、プレイするのは、周囲に気を付けて、運転中には使わないということが必要です。

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